京の富士の間 [愉しい休日]
いままでラパ子で色々な場所へ出かけたけれど、間違いなく一番緊張したのはこの瞬間。
御池通からグルリと廻って麩屋町通を上ルと、いよいよ到着。
出迎えの男衆にキィは差したまま車を預けるのが流儀。
3人分の荷物だけ取り出し運んでもらう。
知らなければ通り過ぎそうなくらいに、ひっそりとした入り口。
玄関の屏風に怯む。ああ、やっぱり此処は「泊まれる美術館」なのだと。
くれぐれも粗相のないように気を付けなければ・・・もちろん咎められることなどない筈だけど、なにぶんダメージが大きすぎる什器尽くしなのですから。
気持ちの良いスリッパを履いて数歩だけ、玄関から一番近いお部屋が富士の間でした。
今から21時間、ここが我らの夢のお城。その中は、
うっそうとした茂みをそっと、其処へ持ってきたような
午後2時
初夏の晴天だというのに、うっすらと暗い。
いや、現実に暗いという事ではないのだけれど
西洋式ホテルの「光降り注ぐ明るさ」とは対極なのか
とても落ち着く空間として計算されているのでしょう。
細かな細かな簾越しの景色は
雅なお姫様の気分に浸れます。
このお部屋のある部分に番の鳩が描かれているのですが
お庭にも二羽の鳩が!
しかも番らしい雰囲気。←中央あたりに一羽、もう一羽はこの写真では判らないかな。
このウェルカムサービスには3人とも大興奮!
かなり長い時間お庭に留まっていて、堂々たる振る舞いの鳩なのでした。
縁側、三和土、ガラス戸の向こうがお庭。
しかも手前の三和土にも小さなお庭が繋がっていて・・・本格的な日本的建築では珍しくないのかもしれませんが、このちょっとした空間に惹かれてしまいます。
ガラス戸の一番奥、木製の小さな扉の中にカーテンが仕舞われています。
計算しつくされた設えを確認したり、発見したり、忙しい。
書机の上にはレターセット。ここでサラリと一筆認められたら粋なんだけどね。
銀のポットには冷たいお水、グラスも勿論オリジナル。
今週から夏支度となったようで、究極の畳の上には究極のあじろカーペット。
あ~畳の感触を楽しめなかったのは残念だけど、この日の気候にはこちらの方が心地よいでしょう。
蜀台は流石にインテリアとしてのお役目でした。灯されたらそっちのほうがハラハラで落ち着けないかも。
こちらは控えの間(こちらを寝室として使用しましたが、二部屋に分けて4名まで寝具を整えてもらうことも可能だそうです。このお部屋の真上にあるお部屋は最大5名利用ができるそうです)からお庭を望んだ一枚。
夏を思わせる暑さの昼でしたので少しエアコンが効かせてありました。
お部屋係りの方の説明がなければエアコンの操作パネルを探すのもゲームになるくらいに徹底的に無粋は排除されています。
という訳でエアコンの吹き出し口も然り。天井の端ですよ。
当然ながら金色に輝くこの額も素晴らしいものなのでしょうが、学の無い庶民には「すごいな~」という至極当たり前の言葉しか出てこない。まさに猫に小判。
絶妙の頃合で絶品と評判のわらび餅が登場。
和菓子を普段あまり召し上がらない方にとって感動モノであることは理解できました。
出来立てのわらび餅の美味しさよりも
竹の器が、それはもう凍りそうなくらいに冷やされていた事の方がより強く印象に残りました。
わらび餅のお皿、茶托、そして一際鮮やかな朱塗りの座卓の紅と、お庭の落ち着いた翠。
目に焼き付けられる色彩の景色
黒蜜味の蕨ときな粉と暫し戯れながら
「ホントーに来ちゃったね。」「うん。」「素晴らしいね。」「うん。」
ゆ~っくりしたい気持ちと、1分が惜しい気持ちが入り混じる。
街中のはずなのに、この空間は不思議なほどの静寂。
ボコボコとした「なぐり」という仕上げの縁側の延長というか廊下の先に
水周りは纏められております。
あまりにも有名な石鹸(1つはこの状態、浴場もう1つ包装を外したものが用意されていました)
洗面台の右手側壁は鏡になっていて(右下写真・右隅に映りこむ皮製ジュエリートレイがまた素敵!)
椅子もあるし(あ、座るの忘れた!)本来はこちら側でメイクなのでしょう。
高野槙のお風呂にはすでにお湯が張られていて、好きなときに入ることができます。
ちょうど良い広さでお庭を眺めながらお風呂を楽しめるのは贅沢の極み。
噂のベンツ座椅子ですぞ!ええ、素晴らしい座り心地ですが・・・肝心のベンツに乗った事が無い庶民には比較できないのが残念っ!
お風呂は夜と朝の二度ちゃんと。篭りっぱなしだったらお昼でも入りたいところでした。
左下はお昼寝用のマット、そして可愛いらしいお針箱。
これらの備品も全てギャラリー遊形で販売されています。自分のお部屋に欲しいと思うお客様が多いのも納得です。
いつまででもお部屋に居たいところですが、
一つ叶えたい細やかなる願いがありまして・・・ちょっとお出かけ。
その前に1階のライブラリーをチラっと。
躙り口のような感じがソソル。
皐月らしく端午の節句や馬をテーマにした室礼
どこを切り取っても画になる空間、ってあるんですね。
2階のアーネストスタディは17時~23時ですが、こちらは時間に関係なく自由に使えるスペース。
ホテルのロビーとは違うけれど、お部屋以外の寛げる場所があるのは何とも贅沢。
新館も含めて全18室だそうですが、他のお客様とすれ違うことも殆どありません。
でも結局こちらでゆっくりする時間は無かった・・・あ~勿体無い!
御池通からグルリと廻って麩屋町通を上ルと、いよいよ到着。
出迎えの男衆にキィは差したまま車を預けるのが流儀。
3人分の荷物だけ取り出し運んでもらう。
知らなければ通り過ぎそうなくらいに、ひっそりとした入り口。
玄関の屏風に怯む。ああ、やっぱり此処は「泊まれる美術館」なのだと。
くれぐれも粗相のないように気を付けなければ・・・もちろん咎められることなどない筈だけど、なにぶんダメージが大きすぎる什器尽くしなのですから。
気持ちの良いスリッパを履いて数歩だけ、玄関から一番近いお部屋が富士の間でした。
今から21時間、ここが我らの夢のお城。その中は、
うっそうとした茂みをそっと、其処へ持ってきたような
午後2時
初夏の晴天だというのに、うっすらと暗い。
いや、現実に暗いという事ではないのだけれど
西洋式ホテルの「光降り注ぐ明るさ」とは対極なのか
とても落ち着く空間として計算されているのでしょう。
細かな細かな簾越しの景色は
雅なお姫様の気分に浸れます。
このお部屋のある部分に番の鳩が描かれているのですが
お庭にも二羽の鳩が!
しかも番らしい雰囲気。←中央あたりに一羽、もう一羽はこの写真では判らないかな。
このウェルカムサービスには3人とも大興奮!
かなり長い時間お庭に留まっていて、堂々たる振る舞いの鳩なのでした。
縁側、三和土、ガラス戸の向こうがお庭。
しかも手前の三和土にも小さなお庭が繋がっていて・・・本格的な日本的建築では珍しくないのかもしれませんが、このちょっとした空間に惹かれてしまいます。
ガラス戸の一番奥、木製の小さな扉の中にカーテンが仕舞われています。
計算しつくされた設えを確認したり、発見したり、忙しい。
書机の上にはレターセット。ここでサラリと一筆認められたら粋なんだけどね。
銀のポットには冷たいお水、グラスも勿論オリジナル。
今週から夏支度となったようで、究極の畳の上には究極のあじろカーペット。
あ~畳の感触を楽しめなかったのは残念だけど、この日の気候にはこちらの方が心地よいでしょう。
蜀台は流石にインテリアとしてのお役目でした。灯されたらそっちのほうがハラハラで落ち着けないかも。
こちらは控えの間(こちらを寝室として使用しましたが、二部屋に分けて4名まで寝具を整えてもらうことも可能だそうです。このお部屋の真上にあるお部屋は最大5名利用ができるそうです)からお庭を望んだ一枚。
夏を思わせる暑さの昼でしたので少しエアコンが効かせてありました。
お部屋係りの方の説明がなければエアコンの操作パネルを探すのもゲームになるくらいに徹底的に無粋は排除されています。
という訳でエアコンの吹き出し口も然り。天井の端ですよ。
当然ながら金色に輝くこの額も素晴らしいものなのでしょうが、学の無い庶民には「すごいな~」という至極当たり前の言葉しか出てこない。まさに猫に小判。
絶妙の頃合で絶品と評判のわらび餅が登場。
和菓子を普段あまり召し上がらない方にとって感動モノであることは理解できました。
出来立てのわらび餅の美味しさよりも
竹の器が、それはもう凍りそうなくらいに冷やされていた事の方がより強く印象に残りました。
わらび餅のお皿、茶托、そして一際鮮やかな朱塗りの座卓の紅と、お庭の落ち着いた翠。
目に焼き付けられる色彩の景色
黒蜜味の蕨ときな粉と暫し戯れながら
「ホントーに来ちゃったね。」「うん。」「素晴らしいね。」「うん。」
ゆ~っくりしたい気持ちと、1分が惜しい気持ちが入り混じる。
街中のはずなのに、この空間は不思議なほどの静寂。
ボコボコとした「なぐり」という仕上げの縁側の延長というか廊下の先に
水周りは纏められております。
あまりにも有名な石鹸(1つはこの状態、浴場もう1つ包装を外したものが用意されていました)
洗面台の右手側壁は鏡になっていて(右下写真・右隅に映りこむ皮製ジュエリートレイがまた素敵!)
椅子もあるし(あ、座るの忘れた!)本来はこちら側でメイクなのでしょう。
高野槙のお風呂にはすでにお湯が張られていて、好きなときに入ることができます。
ちょうど良い広さでお庭を眺めながらお風呂を楽しめるのは贅沢の極み。
噂のベンツ座椅子ですぞ!ええ、素晴らしい座り心地ですが・・・肝心のベンツに乗った事が無い庶民には比較できないのが残念っ!
お風呂は夜と朝の二度ちゃんと。篭りっぱなしだったらお昼でも入りたいところでした。
左下はお昼寝用のマット、そして可愛いらしいお針箱。
これらの備品も全てギャラリー遊形で販売されています。自分のお部屋に欲しいと思うお客様が多いのも納得です。
いつまででもお部屋に居たいところですが、
一つ叶えたい細やかなる願いがありまして・・・ちょっとお出かけ。
その前に1階のライブラリーをチラっと。
躙り口のような感じがソソル。
皐月らしく端午の節句や馬をテーマにした室礼
どこを切り取っても画になる空間、ってあるんですね。
2階のアーネストスタディは17時~23時ですが、こちらは時間に関係なく自由に使えるスペース。
ホテルのロビーとは違うけれど、お部屋以外の寛げる場所があるのは何とも贅沢。
新館も含めて全18室だそうですが、他のお客様とすれ違うことも殆どありません。
でも結局こちらでゆっくりする時間は無かった・・・あ~勿体無い!